Monday, 8 August 2011

ゴマサバは夏に旨くなる

写真:上がマサバ、下がゴマサバ。夏はゴマサバが旨い拡大上がマサバ、下がゴマサバ。夏はゴマサバが旨い
写真:釣り物のバラエティー豊富な「一之瀬丸」一之瀬徹也船長拡大釣り物のバラエティー豊富な「一之瀬丸」一之瀬徹也船長
写真:釣り場は八景沖から海保周り拡大釣り場は八景沖から海保周り
写真:ライトタックルサバはとにかく引く!拡大ライトタックルサバはとにかく引く!
写真:丸々太ったサバ。おいしそう拡大丸々太ったサバ。おいしそう
写真:ゴマサバは塩焼きが最高拡大ゴマサバは塩焼きが最高
写真:表面をあぶって、あぶりトロサバも旨い拡大表面をあぶって、あぶりトロサバも旨い
 夏になると「食べたいなあ」と思う魚のひとつが東京湾のゴマサバだ。
沖釣りで釣れるサバにはマサバとゴマサバの2種類がある。注意して見ないとなかなか区別が付かないが、体の下半分の腹の部分(白っぽいところ)の模様で 見分けが付く。腹の部分にゴマを振ったような小さな黒い模様が点々とあるのがゴマサバ、それが無く、真っ白いのがマサバだ。
「秋サバは嫁に食わすな」なんていう言葉もあるが、その秋のサバとはマサバのことだろう。マサバは秋から冬が旬。寒い時期のマサバは脂が乗ってとてもおいしい。
それに対してゴマサバの旬は夏。ゴマサバはもともとマサバに比べて身に脂が少なく、「マサバよりおいしくないサバ」というイメージを持たれがちな のだが、こと夏のゴマサバに関しては、そんな偏見を捨てた方がいい。ちなみに高知県土佐清水のブランド魚「清水サバ」は、このゴマサバのことだ。
本来サバの身は血の赤い色をしているが、夏のゴマサバは脂がたっぷり乗って身がピンク色に見えるほど。マグロの大トロのような、いわば「トロサバ」状態。そしてこれが激旨なのだ。

専門でサバを狙う貴重な船宿

東京湾で釣れるゴマサバはとくにおいしい。旬の時期というだけでなく、イワシなど捕食しているエサがいいのか、はたまた釣り船のコマセをたっぷり食べて太るからなのか、その理由は定かではないが東京湾で釣れるゴマサバは、脂が乗った「トロサバ」の確率が非常に高い。
このサバを専門に狙って乗合船を出船するのが金沢八景の「一之瀬丸」だ。
サバは長い間、アジ釣りの外道(本命以外の魚・じゃま者)というイメージを持たれ、なかなかメーンターゲットになることがない魚だったのだが、「一之瀬丸」はそんなサバにスポットライトを当て、メーンターゲットとして専門の乗合船を出船している。
「サバはビギナーでも比較的簡単に釣れるし、引きもいい、それに食べてもおいしい。夏のおすすめの釣り物ですよ。うちはより手軽に楽しめる、オモリ 40号のライトタックルで狙っています。大型のゴマサバ、マサバまじりで数釣れますよ。ゴマサバは最高においしい時期。マサバも大きいから脂乗ってます よ」。そう話すのは「一之瀬丸」の一之瀬徹也船長。
ライトタックルの釣りは、使用するオモリを軽く、竿をライトなものにすることによって、女性や子供でも道具を扱いやすくするとともに、魚の引きがよりダイレクトに感じられるのが魅力だ。

ライトタックルで引き味強烈

この日ポイントは港を出てすぐの八景沖。水深は17mほどだ。
海底から数メートル上がサバのタナ。船長の指示ダナは5m。いちどビシを着底させ、底から4mほどで1回コマセをまき、指示ダナに合わせてアタリを待つ。コマセが効いて、サバの群れが船に着いてしまえばこっちのもの。入れ食いもめずらしくないのだが…。
この日は「入れ食いモード」には程遠い。食うには食うのだが、ポツリポツリの単発だ。ただし35~45cm前後の良型中心で、ひとたびハリ掛かりすると、猛烈に暴れ回り、強い引きを見せてくれる。
ライトタックルサバ釣りの面白さは、この引き味のよさ。「サバの引きは品がないよ」なんていう人もいるが、それはアジ釣りやタイ釣りの外道で釣れるときのこと。確かに強烈にバイブレーションしながら走り回る「暴れっぷり」はときに手に余ることもあるが…。
とにかくサバを専門に狙って釣ってるんだから、あの強い引きを存分に楽しまなきゃソン。45cmオーバーの大型が掛かろうものなら、ライトロッド は根本から曲がり、グルグル走り回られてなかなか上がってこないほど。『小さめのカツオ』を釣っているってぐらいの気分で大いにに引きを楽しめばいいの だ!ただし、サバ釣りはオマツリも多いので、周りのひとと協力しオマツリしても助けあって仲良く楽しむのがマナーだ。
八景沖は釣れるには釣れるが、あまりの「ポツリポツリ」具合にしびれを切らせた船長は、釣り場を海堡回りへ移動。この移動が大正解だった。海堡回 りで釣り始めてしばらくすると、サバがアタりだし、すぐに入れ食いモード突入。みんなのクーラーは、あっという間にいっぱいだ。いい群れに当たれば、すぐ に「お土産いっぱい」になるのもサバ釣りのいいところだ。

塩焼きにあぶりトロサバも

釣りたて新鮮なサバは驚くほど旨い。スーパーに並んでいるサバはどんなに頑張っても、その日釣ってきたサバの味にはおよばないだろう。
逆に言えば、それだけ質が落ちるのが早い、傷むのが早い魚ということ。釣ったらすぐに水氷(海水と氷を混ぜ合わせたもの)を張ったクーラーに入れ て氷締めにすることが大切だ。このとき血抜きをするか血抜きをしないかというので意見が分かれる。血抜きすると身が水っぽくなり身崩れしやすくなると言う ひともいるが、個人的にはしっかり血抜きした方が見た目もよくて味もいいような気がするが…。
ゴマサバの料理で一番おいしいと思うのは塩焼き。軽く塩を振った身を表面がキツネ色、カリカリになるぐらいまでしっかり焼く。それでも脂が多いの で中はジューシー。大根おろしをそえて食べるとビールのつまみに最高だ(もちろんごはんのおかずでもいいが)。それからゴマサバの身の皮目をバーナーであ ぶった刺し身、「あぶりトロサバ」、これも旨い!
今のゴマサバはイチオシの味だが、もちろんマサバがまずいわけじゃない。大型のマサバはシメサバにして食べるとおいしい。
ぜひ、おためしあれ。

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